【ITと医療】これからを担う医師に求められるスキル

医師の転職

2023.02.27

現代の医療現場では、電子カルテやオーダリングシステム・電子版のお薬手帳といった情報を管理するシステムやオンライン診察などを行う通信システム、画像診断や自動問診におけるAI技術など、さまざまなデジタル技術があります。

 

日本ではどんなシステムが活用されていて、今後どのような展望があるのか、そのために医師に求められるスキルとはなにかをまとめました。

 

コロナ禍で従来の形から大きく変化した医療現場 

 

厚生労働省では、医療分野の情報化を推進しており、定期的に現状について報告をしています。

 

特に推進しているのが、電子カルテとオーダリングシステムです。

これまで紙がメインだった患者の情報を電子化することで、患者ごとの診療内容、経過、検査結果など必要な情報にすぐにアクセスできるようになります。

 

電子カルテについて、令和2年に発表された報告では、400床以上ある病院では91.2%、200~399床の病院では74.8%、200床未満の病院では48.8%、一般診療所(病床を持たない病院を指し、歯科医院を除く)では、49.9%導入済みとあります。

 

病床数が多い分、管理する患者数も増え、携わる医療スタッフも多いので、電子化によるメリットが多いですが、診療所など規模が小さいところでは、導入コストがかかることやパソコンなど電子機器が苦手、紙に慣れているといった理由により電子化が進まないのが現状です。

 

同じようにオーダリングシステムでは、医師から出される指示が電子化されたことによって、看護師や薬剤師との連携がスムーズになるメリットがあるため、病床数の多い病院では導入が進んでいます。


以前から電子カルテやオーダリングシステムは推進されていましたが、コロナ禍で一般的にも耳にする機会が増えたシステムがオンライン診療や自動問診です。

 

電話やカメラ機能を利用した通話によって患者と医師が離れた場所から診察を行うことをオンライン診療やリモート診療と呼びます。

 

新型コロナウイルス感染症の流行によって、多くの病院で導入されましたが、患者側にも病院側にも多くのメリットがあり、新型コロナウイルス感染症以外でも定期的な薬の処方を目的とした診察や生活習慣病といった疾患においてニーズがあります。

 

また、診察予約をオンライン化することで、予約のタイミングで自動問診を行うシステムも普及しています。

 

いつからどんな症状があるのか、なにが一番気になるか、どんな対応を希望しているかなど、事前に患者自身が入力し、それを病院側が把握しているので、受付に来たタイミングで適切な割り振りができるようになりました。

 

医療業界におけるITソリューション

 

病院におけるIT、ICT化は、電子カルテなどによる情報の電子化や、診療から会計までをスムーズにするシステムなどが導入されていることが分かりました。

 

患者対応をする際のシステム以外にも、MRI、CT、レントゲンなど画像データからAIが病変を認識するものや、一般に販売されているスマートウォッチのように日常の体温、血圧、脈拍といったバイタルデータを蓄積し異常をいち早く検知するといったシステムも、医療業界のITソリューションのひとつと言えます。

 

多くのデジタル化が進むなかで、次のステップであるデジタルトランスフォーメーション(デジタル変革)についても把握しておきましょう。

 

DXと略称されるデジタルトランスフォーメーションは、医療分野に限らず多くの分野で行われています。

 

経営モデルやプロセス、風土や既存の価値観を大きく見直し変革することを指します。

 

医療においては、電子化によって多くのデータが集まりました。

 

初期症状・症例、薬や治療による経過といった病気に関することや、ウイルスの流行によって地域医療の崩壊にも繋がる状況もあり、地域医療の連携を強化する必要もあります。

 

こうしたなかで、従来のシステムのままでは医療従事者の負担は増えるばかりで、医療従事者自体の数も減少しています。

 

医療におけるDXでは、病院内で入院患者に薬を運ぶロボットを導入したり、院内のカメラと連動し、医師・看護師・患者の動きをデータ化したりすることで、無駄を省くことや効率化を考えることもできます。


また患者となる人それぞれが自分で自分の健康管理ができるようアプリを活用することや、気になることがあったらオンラインの健康相談を行うなど、「なにかあったらすぐに病院へ行く」というスタイルを変えるといったことも挙げられます。

 

アメリカをはじめとする多くの国では、この「ヘルスケア」に関するDXが活発です。

 

ヘルスケアは健康管理のことで、普段の生活を送っている状態のデータを蓄積し、体調を崩す前兆を察知したり、食事や運動習慣の指導をしたりすることで、予防医療を目的としています。

 

病気やケガによる症状が重たくなり、手術や治療といったことは、直接医師と患者が関わることになりますが、まずは病気にならないように日々の状態を観察し、病気になっても早期発見ができるような体制をとることも大切です。

 

IT技術を駆使して医療の質を高める医師を目指す

 

ITをはじめとする医療に関わるさまざまな技術は日々進化をしていますが、日本は諸外国に比べると医療のデジタル化がなかなか進まず、新しい技術を活用する機会が少ない状況です。

 

その理由にはコストやスキルなど多くの要因があります。

今医師を目指している学生たちは生まれたときからインターネットが身近にある、いわゆる「デジタルネイティブ」と呼ばれる世代です。

 

タブレットなど電子機器の操作にも慣れており、新しい技術に対して抵抗感も少ないことでしょう。

 

現役で働く医師が転職をする際、医療の質を向上することも考えなくてはなりません。

そのためには、現状の問題点を見つけ、改善するためにIT技術を活用できるようなスキルが必要です。

 

システムの構造を理解するほど深い知識は不要ですが、新しいシステムにも積極的に興味を持つこと、基本的なITリテラシーを持っていること(電子機器の操作ができること)、情報管理におけるセキュリティの重要性を理解していることなども大切です。

 

そして医療機器は、多くの現場で活用されることで使い勝手の改良や精度の向上が行われ、質が高まるのです。

 

これからの医療業界を担う医師には、多くのデジタル技術を知り、活用する能力が求められることでしょう。

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