【臨床から離れて活躍】メディカルドクターとは?
医師の転職
2022.10.24
医師として働くなかで悩みの1つとなるのが勤務体系ではないでしょうか。
臨床では不規則になりがちな勤務体系のため、日勤のみである会社勤めのビジネスパーソンに憧れるドクターも多いようです。仕事とプライベートを両立させる上で労働条件はとても重要になります。
そんななか、臨床から離れて活躍するという選択肢もあります。臨床を離れて医師免許を活用できる職種には様々なものがありますが、今回は「メディカルドクター」についてご紹介します。
メディカルドクターとは?
主に製薬会社に勤める医師のことを「メディカルドクター」といいます。薬の研究開発や、薬の効果・安全性の検証が主な業務です。
具体的には「臨床開発」「安全性評価」「メディカルアフェアーズ」という3つの業務を行います。
臨床開発
新薬を製造・販売する際には臨床試験や治験が必要となります。このような試験で得られたデータを分析し、厚生労働省等の行政機関へ提出する書類を作成します。
これは一般の社員ではできない、医師免許を持っているメディカルドクターだからこそできる仕事なのです。
安全性評価
新薬を発売後、その薬が安全に使用されているかを調査します。
臨床試験では検知されなかった副作用等が販売後に報告されることもあります。こうしたことを可能な限りなくすために、製薬会社は医薬情報担当者(MR)から現場の情報を収集します。
集めた情報を管理して安全性の評価を行い、新薬が安定的に販売できるようフォローするのもメディカルドクターの重要な仕事なのです。
メディカルアフェアーズ
メディカルアフェアーズは「市販後調査」ともいわれています。
新薬の販売を開始すると、多くの医師が新薬を使用します。そして、その後の売上は薬の効き目や使いやすさによって大きく左右されるのです。そのため、製薬会社では市場の動向や臨床現場での評価を調べ、情報を発信していくことが重要になります。
こうした一連の業務を「メディカルアフェアーズ」といいます。
専門性の高い学術文献を調べたり、臨床医との連携を取ったりする際、現場の医師の目線を持っているメディカルドクターはとても重宝される存在なのです。
メディカルドクターになるには?
メディカルドクターになるために必要な資格や条件などはあるのでしょうか。以下で詳しく見ていきましょう。
「医師免許」は必須
メディカルドクターとして働く際に必須となるのは医師免許です。
製薬会社により必要な資格は異なりますが、基本的には医師免許以外の資格を問われることはあまりなく、専門医や指導医といった資格も必要ありません。
英語力が必要
業務で用いられる文献は英語で執筆されているものも多く、特に外資系製薬会社ではTOEIC 700~800点程度が必要といわれています。
世界各地にある支社のスタッフとの意見交換や情報共有も必要となるため、TOEICの点数だけでなく、実際に業務で会話できる程度の英語力も求められるでしょう。
「博士号」を取得していると有利
メディカルドクターとして働く際、博士号の取得が必要かどうかは製薬会社によって異なります。
必須条件としていない製薬会社もあるようですが、博士号を持っていると研究の知識と経験が豊富であるという証明になるため、取得している方が有利になるといえるでしょう。
メディカルドクターの労働時間
メディカルドクターの労働時間は一般的な会社員と同じ日勤で、休みも基本的には土日となっています。臨床現場と比較すると残業が少ない場合が多く、夜勤やオンコールもないため、働きやすい環境といえるでしょう。
さらに、産前産後休暇や育児休暇、介護休暇などを設けている企業も多く、子育てなどプライベートとの両立がしやすい職種です。
スケジュールに見通しが立ち、より時間の余裕がもてるようになることは、臨床医と比較すると大きな魅力ではないでしょうか。
メディカルドクターの年収
製薬会社により異なりますが、国内製薬会社のメディカルドクターの初任給は1,300万円程度のことが多いようです。その後、昇給をして平均1,500万円程度が年収の相場といえるでしょう。
一般的には、国内製薬会社と比較して外資系製薬会社の方が年収が高い傾向にあります。そのため、外資系製薬会社ではより高く設定されていることが多いようです。
勤務医との比較
勤務医の平均年収はおよそ1,500万円といわれているため、メディカルドクターとほぼ同水準です。しかしながら勤務医の年収は勤務先によって大きく異なります。
一般的に、大学病院の医師の平均年収は民間病院と比較すると低く、800~1,000万円程度です。そのため、大学病院からメディカルドクターに転職する場合は給与アップとなることが多いでしょう。
退職金
メディカルドクターは会社員のため、一般的な会社員並みの退職金を受け取ることができるでしょう。一方、医局を通じて複数の病院を転々と勤務する臨床医などは、退職金をほとんど期待できません。また病院によっては退職金制度がないところもあります。
毎月の給料の他に、退職金など福利厚生の面でも自分の希望に合った職場を探してみると良いでしょう。
まとめ
今回ご紹介したメディカルドクターは、臨床医と比較すると労働条件や福利厚生の面ではメリットも多いのではないでしょうか。ただ、臨床現場と比較すると業務内容は大きく異なります。
転職を検討する際には、自分の本当にやりたいことや優先したいことをしっかりと見つめ直し、ご自身に合った職場探しをしてみてください。
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