日本とは異なる海外の医療業界!医師はどんな働き方をしているの?
医師の転職
2022.10.24
日本と諸外国では、医師と患者の関係性、医師の勤務体系や給与や待遇など異なる点がたくさんあります。
今回、日本と医療制度が異なるアメリカ、医療の国営化をしたイギリス、日本と似ている部分が多いフランスの3か国をピックアップし医師の働き方に着目しました。
海外の医師の実情を知ることで、ワークライフバランスを整えるきっかけになれば幸いです。
海外の医師の働き方
アメリカ
アメリカでは、医師の所定労働時間は週40時間までと決められており、残業時間も40時間までと定められています。
1日8時間勤務したとして、週5日で所定労働時間となり、以降は残業という扱いになりますが、勤務時間に関して厳しく管理されているため、当直勤務は1週間に3回以下までなど、別途遵守しなければならないルールが設けられています。
給与に関しては、勤務医であっても歩合制のため対応した病床数や手術の回数など実績によって収入が増えていき、患者・同僚など周囲からの評価も昇給の査定に関わります。
診療科によって年収差があり、整形外科医・放射線科医は約2800万円で最も高いとされており、医師全体としての平均年収は1600万円ほどです。
イギリス
イギリスには、外国人であってもイギリスに住所を持っている人を対象に、国が運営する国民保健サービス(NHS)があり、窓口での自己負担や保険料負担なしに医療を受けることができます。
日本のように、保険証を利用し自分の好きな病院で診療を受けるのではなく、登録した診療所(いわゆる、かかりつけ医)で診療を行うのが一般的です。
病院はすべて国営のため医師は公務員となり、国から給料が支払われますが、住民ひとりあたりの年間でかかる医療費から計算されて支払われます。
かかりつけ医が必要と判断すれば専門医を紹介しますが、診療科目や症例ごとに給料が変わるということはなく、平均年収では約1500万~2000万円ほどです。
勤務時間は研修医であれば週56時間を労働時間の上限としています。
フランス
ヨーロッパのなかでも、フランスの医療体制では、日本と同じ社会保障制度が採用されており、雇用形態などによって選択できる保険は異なるものの、人口の95%がいずれかの医療保険に加入しています。
こうした医療制度のもと、フランス国内の病院の60%以上が公営であり、患者が自由にかかりつけ医を指定し、なにかあればまずはかかりつけ医に行くといったスタイルです。
そのため、各病院の医師は、その地域の総合診療医というポジションで、市民を幅広く診療することが求められ、症状によって専門医へ紹介しています。
フランスの医師の平均給与は、一般医で約700万円、専門医でも900万円ほどであり、他国と比較すると非常に安く感じますが、その分、医療を学ぶ医学部はすべて国立が運営し、授業料の大部分が無料という教育費がかからない体制となっています。
オンオフのスイッチがしっかりしている海外の医療業界
各国の医療体制や医師の立ち位置が分かったところで、日本とは大きく異なる「ワークライフバランス」の考え方や仕事内容について深堀りします。
アメリカ
アメリカでは、そもそもの医療費が高額であることから、患者の希望をヒアリングし、先に見積もりを作ってから診療方針を決め、チームを組んで対応にあたります。
このチームにおいて、日勤専門医師・夜勤専門の医師・看護師・薬剤師や放射線技師など、各部門の担当者が集まって業務を細分化し共有し合います。
チームにおけるリーダーは医師ではなく、あくまでも患者本人なので、医師自身の勤務時間内で最大限のパフォーマンスを発揮したあとは、次の勤務医に引継ぎを行うといった交代制の勤務となっています。
その為、日本に比べて患者ひとりに対して関わる医療従事者の数が多く、きちんと情報共有をすることで、ひとりの医師が長期休暇を取っても支障が出ないような仕組みです。
また、実力主義ともいえるアメリカでは、「自分の実績になるのなら」という理由から残業をする医師もいます。
収入や経験値などを目的に仕事を増やしているため、ワークライフバランスを取りつつ、最大限自分の利益となる働き方ができるのです。
イギリス
イギリスでは、「なによりも大切なのは家族である」という考えが顕著なため、仕事よりも家庭に重きを置くスタンスが通常です。
そのため、イギリスではひとつの診療所に複数名の医師、看護師、助産師や薬剤師などが在籍し、情報共有をして患者ひとりひとりのケアを行います。
医師ひとりに対し、受け持つ患者数は1400人程度で、乳幼児から高齢者、皮膚科から精神科など幅広い範囲の対応が求められますが、診療所の診察で完了するものや専門医へ紹介が必要なものなどを振り分けていくので、ある程度分業化されていることが分かります。
さらに、法律で決まっている有給休暇は完全消化することが義務付けられていることから、交代で休暇を取得する体制を取っています。
仕事とプライベートをきっちりと分けており、休暇も取得しやすい点から、ワークライフバランスが整っている環境と言えるでしょう。
フランス
フランスでもかかりつけ医の制度をとっていますが、このかかりつけ医は完全予約制です。
日本のように、「具合が悪いから今から行きたい」というのは原則できません。
また、専門医への紹介状を書いて患者に渡すだけで、専門医のいるクリニックの予約を取るなどは患者が主体となって行うなど、医師の仕事の区分けがきっちりとされています。
首都パリでは、救急の受け入れ病院が市内で数カ所と決められており、すべての場所で常時受け入れをしない分、医師の負担を減らし、拠点に集中させることで人員の確保もできているのです。
バカンス(休暇)を大切にするフランスの風習から、医療従事者であってもオンタイムの時間をきちんと設定し、休暇を十分に満喫するメリハリをつけることで、ワークライフバランスが整っていると言えます。
まとめ
日本ではコロナ禍の現在、発熱の症状の有無によって診察の時間帯を分ける、感染対策のため診療時間や人数の制限を設けるなど、常時幅広く受け入れていた体制が少しずつ変化しています。
日本の医療においても、人を増やしつつ、仕事を分業していくことで、ひとりひとりの負担が軽減し、プライベートの充実によってワークライフバランスが整うことが望ましいですね。
この記事の関連記事
医療業界の転職トレンド: 最新のチャンスを見逃すな
医療業界における転職トレンドは絶えず変化しており、新たなチャ…
医療業界における転職トレンドは絶えず変化しており、新たなチャ…
医療現場での転職: キャリアパスの多様性を追求する
医療現場において転職を検討する際には、キャリアパスの多様性を…
医療現場において転職を検討する際には、キャリアパスの多様性を…
医師のキャリア戦略: 成長と挑戦を求めて
医師としてのキャリアを築く上で、成長と挑戦は欠かせない要素で…
医師としてのキャリアを築く上で、成長と挑戦は欠かせない要素で…
【医師の転職】常勤医と非常勤医の違いとは?
医師の転職を考える際、常勤医と非常勤医の違いを把握することは…
医師の転職を考える際、常勤医と非常勤医の違いを把握することは…
急速に普及したオンライン診療の今後はどうなる?
新型コロナウイルス感染症が「五類感染症」へと分類が変わり、ア…
新型コロナウイルス感染症が「五類感染症」へと分類が変わり、ア…
医師向け転職サイト、どこを見て比較する?活用のポイントは?
医師向けの転職サイトは数多くありますが、実際に選ぶとなると、…
医師向けの転職サイトは数多くありますが、実際に選ぶとなると、…
【医師の転職】医師の履歴書で職歴を書くときに注意すべきこととは
転職活動において、求職者の「顔」とも言える履歴書。 選考は…
転職活動において、求職者の「顔」とも言える履歴書。 選考は…
「これって失敗?」キャリアにも大きな影響がある医師の転職失敗について
転職における失敗とはどんなものでしょう? せっかく転職先が…
転職における失敗とはどんなものでしょう? せっかく転職先が…