【産業医への転職】産業医とは?臨床医との違いや求人の探し方

医師の転職

2022.09.29

転職を考える際には、今後のキャリアやワークライフバランスを考えて、勤務医を続けるか開業するか、はたまた非常勤など、働き方に迷う人もいるでしょう。今回は転職の1つのパターンとして、産業医の働き方や転職する方法について解説します。

 

産業医とは

産業医の業務内容

産業医は企業において労働者の健康を管理する、労働者専門の医師です。健全で活力のある経営活動を行うために、専門的な知見を持って指導や助言を行います。

 

労働安全衛生法第13条では、全ての業種において常時50人以上の規模を有する事業所では、以下のように産業医の選任が義務付けられています。

 

・労働者数50人以上3000人以下の規模の事業所には産業医1名以上選任

・労働者数3001人以上の規模の事業所には産業医2名以上選任

 

さらに、常時1000人以上の労働者数を有する事業所と、業務に危険が伴う特殊な職場の場合、専属産業医の選任が必要です。

 

産業医の業務は、

・労働者の健康診断や健康相談の実施

・作業環境における健康リスクの評価と改善健康教育

・職場巡視

・保健指導

・労働衛生教育

・衛生委員会への参加

が主な職務です。

 

事業所の働く環境や衛生状態によって健康を害する恐れがあるときは、労働者の健康を守るために直ちに必要な措置を講じる必要があります。

 

産業医の必要性

産業医は、外傷や身体疾患はもちろん、メンタルヘルスへの対応、過重労働への対策、健康増進指導や疾病予防の啓発、セクハラやパワハラ問題など、幅広い知識が求められる職業です。例えば、機械や有害物などを扱う現場では安全対策、座り仕事が多いオフィスなら生活習慣病など、産業医は職場によってさまざまな視野を持つ必要があります。 

 

一見健康そうに見える人でも、身体の不調を抱えていたり、今後健康を害する予備軍がいたりします。特に身体に表れにくいメンタルヘルスの不調は、多くの企業で問題視されています。メンタルヘルスの不調は、長期休職を余儀なくされたり、悪くすると自殺につながったりします。産業医は従業員との距離を近く保ち、メンタルヘルスの不調を事前に見極めて、予防する重要な役割を持つのです。

 

健全で活気ある職場に、従業員の健康は必要不可欠です。健康があってこそ、企業の経済活動はあります。つまり、従業員の健康を一手に担う産業医は、日本の産業を支える重要な役割といってもいいでしょう。

 

臨床医との違い

診断と治療を行う臨床医と異なり、産業医は診断と治療は行わず、従業員の健康状態を診て就業できるかを判定します。治療が必要そうな従業員には、医療施設を紹介します。

 

臨床医は患者の職場環境を直接見たうえでの判断ができません。そのため患者が復職を望んでいるのなら、日常生活が問題なく送れる程度の症状まで回復すれば「復職可」と診断をするケースがほとんどです。一方、産業医であれば業務の内容や職場環境を考慮したうえで「復職可」と判断します。

 

産業医の仕事の内容

産業医の仕事の内容は大きく分けて専属産業医と嘱託産業医に分けられます。転職の際には、どちらの条件が自身に適しているかを検討しましょう。

 

専属産業医として働く

専属産業医は、組織の一員として企業に属し従業員の健康管理を行います。その企業の従業規則に即した勤務時間で働きます。週4~5日勤務で残業はほぼなく、当直やオンコールもありません。

 

属する会社の業種や規模によって年収に差がありますが、専属産業医を置く会社はいわゆる大手企業であることがほとんどで、福利厚生や退職金など、制度が充実しています。医師として大きな収入を得ることはできないものの、ワークライフバランスはとりやすい働き方といえるでしょう。

 

嘱託産業医として働く

嘱託産業医は常勤ではなく、非常勤職員として企業と契約し、職場巡視や面談などを行います。昨今の産業医の多くは嘱託医であり、病院勤務の医師や開業医が本業の傍ら、産業医を掛け持つケースも少なくありません。

 

勤務する回数は企業によってさまざまですが、非常勤の場合は月1回から週に1、2回の勤務が一般的です。勤務日は職場と調整をして決めるため、自由度の高さが特徴です。報酬は時給や日給で計上され、勤務日が少ない分大きな収入にはつながりにくいものの、少ない実働の割に、高い報酬を得られる傾向にあります。

 

産業医に転職するための要件

産業医に転職するためには、医師免許のほかに労働安全衛生法で定められた要件をクリアする必要があります。

 

●日本医師会の産業医基礎研修を修了する

●産業医科大学の産業医学基礎講座を修了する

●労働衛生コンサルタント試験に保健衛生区分で合格する

 

今後、専属産業医としてキャリアを視野に入れるのであれば、労働衛生コンサルタントや、日本産業衛生学会認定の専門医資格を取得すると、産業医学のプロとして企業の信頼を得やすいでしょう。

 

産業医に転職する方法

前章でお伝えした通り、講習を受ければ産業医への転職が可能です。

 

産業医を必要とする事業所は労働者数50人以上であるため、専属産業医の求人は、東京都内や名古屋、大阪などの都市部に多い傾向があります。

 

とはいえ、東京23区内にあるオフィスワークをしている企業は応募者が多く、狭き門といわれています。郊外の工場の方が、比較的ニーズがあるでしょう。

 

医師の求人サイトやマッチングサイトに登録することはもちろん、即戦力になれるように研修や講座を受けて、資格を取得しておきましょう。

 

 

 

 

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